40代男性の可能性と「転職」
40代男性の可能性
40代といえば、ちょうど人生の折り返し地点あたり。サラリーマンの世界においては、「中堅」的存在として仕事が充実し脂の乗ってくる頃合いです。プライベートでも、子どもがいたり趣味に打ち込んでいたり、日々を忙しく過ごしている人が多いでしょう。
仕事や家庭において責任を負っていることも多い40代男性の可能性は、10代、20代の時ほど広く開かれてはいないかもしれません。しかし全ての可能性が閉ざされており、現在の状況の延長線上にしか未来が存在しないかというと、決してそうではありません。
平均寿命まであと約40年もあり、またこれまでに得た知識・経験も蓄積しているため、自分次第で様々な行動が出来るのです。
人生の後半戦に入るにあたって、自分がこれまでやってきたこと、やってこなかったこと、今出来ること、出来ないこと、今後やりたいこと、やりたくないこと、これらを改めて考えてみることはとても重要なのです。
「転職」を考える理由
これまでの人生、そして今後の人生について考える中で「転職」を視野に入れている40代の人も多いのではないでしょうか。
転職を考える理由には、仕事の「やりがい」「給与」「待遇」等、様々な要素があります。その中でも「給与」は、どの調査においても必ず上位にくる理由です。厚生労働省の調査でも、現職の収入の少なさを転職理由に上げている人が一番多くなっています。
参考 厚生労働省が発表した「平成28年雇用動向調査結果の概況」
- 1位 (13.8%) 給料等収入が少なかった
- 2位 (13.7%) 労働時間、休日等の労働条件が悪かった
- 3位 (9.2%) 職場の人間関係が好ましくなかった
- 4位 (8.1%) 会社の将来が不安だった
- 5位 (6.8%) 定年、契約期間の満了
- 6位 (6.6%) 仕事の内容に興味を持てなかった
- 7位 (5.3%) 能力、個性、資格を生かせなかった
- その他 (34.1%)
お金が全てではないものの、「お金がある=幅広い選択肢がある」ということ。やはりお金は大切なのです。
年収1200万円とは?どんな暮らし?
サラリーマンにとって「年収1000万円」は1つの目標です。また、40代になると30代の時とは異なり、同世代で年収1000万円以上を稼いでいる人は決して珍しい存在ではなくなってきます。
「年収1200万円」を稼ぐ人とは、そういった「年収1000万円」を稼ぐ人よりさらに一歩進んだ、ハイクラスの人材であると言えます。
では、年収1200万円を稼ぐ人の暮らしとは、どのようなものなのでしょうか。手取り、月給やボーナスの額、所得税、生活水準について見てみましょう。
年収1200万円の手取り
家族構成(扶養家族の有無)等によって控除の額が変わるため、手取りの額は人によって異なりますが、年収1,200万円の人の手取りは、一般的に860万~900万円程度です。
年収1200万円の月給、ボーナス
月給のみで年収1200万円の場合(ボーナスなし)、毎月の手取り額は72万円〜75万円程度です。
ボーナスあり(2ヶ月分×2回/年)で年収1200万円の場合、毎月の手取り額は54万円程度、ボーナス108万円程度×年2回です。
年収1200万円の所得税
所得税は、収入が多い人ほど税率が上がっていく仕組み(累進課税)になっています。年収1200万円の人の税率は33%です。しかし、単純に1200万円の33%である330万円が所得税となるわけではありません。所得税は以下のように算出します。
上記のように計算すると、年収1200万円の人は、年間概ね90万円〜120万円程度の所得税を納めることになります。
年収1200万円の人の生活水準(総務省統計局/家計調査 H30 より算出)
【独身・1人暮らしの場合】
独身・1人暮らしで年収1200万円の人の平均の家賃は、月12万円程度です。また、食費は月約9万円、娯楽費は月約4万円、貯蓄は月約16万円程度と言われています。
独身・1人暮らしで年収1200万円の人の生活は、非常に贅沢な暮らしであるというわけではありませんが、かなり余裕がある様子が伺えます。食事、旅行、趣味等、自分がお金をかけたいところに惜しみなくお金をかけられる生活だと言えるでしょう。
【既婚・子ども1人・3人暮らしの場合】
既婚・子ども1人・3人暮らしで年収1200万円の人の平均の家賃は、月13万円程度です。食費は月約10万円、教育費は月約8万円、娯楽費は月約4万円程度です。
子育てをしている家庭の場合、子どもの年齢にもよりますが、教育費にお金がかかります。年収1200万円とはいえ、子どもを塾や私立に通わせた場合、自分の趣味等に自由に使えるお金はある程度制限されます。
また年収が1200万円ともなると、様々な公的支援や控除が受けられなくなります。そのため年収が低い世帯よりも余裕があるとは一概には言えません。しかし、必要な出費だけでいっぱいいっぱいという訳でなく、家族の状況に合わせて色々な選択が出来る状態だと言えるでしょう。
上記のように、年収1200万円あるとは言え、都心のタワーマンションの高層階に住んだり、毎日外食をしたりと贅沢な暮らしが出来るわけではありません。しかし、結婚の有無・家族構成等に合わせてどのような生活をするか、自分で選べる余裕が十分にあると言えます。
転職で年収1200万円を目指す40代男性がすべきこととは?
では、転職で年収1200万円を目指す40代男性がすべきこととは一体何でしょうか。達成しやすい業界と転職までのステップを見てみましょう。
サラリーマンが年収1200万円を達成しやすい業界
サラリーマンが年収1200万円を達成しやすい業界は、ずばり以下の4つです。
- 大手総合商社
- 外資系金融
- 外資系コンサルタント
- テレビ・マスコミ関係
自分のキャリアプランと重なるようであれば、こういった業界に絞って転職活動を行いましょう。上記業界では、採用されれば転職後すぐに年収1200万円を達成することは決して難しいことではありません。
また、
- 銀行
- 保険会社
- 水道・インフラ
等の業界は、転職後すぐに年収1200万円というわけには行かずとも、転職後のキャリアアップ次第で年収1200万円を達成できる可能性が大いにあります。こういった業界では、プレイヤーとしての求人ではなく、管理職に絞って応募をしましょう。
40代の転職活動のステップ
40代男性の転職活動は、以下のようなステップで行います。
- 自分のこれまでの経験・持っているスキルの分析
- 家庭状況の整理
- 今後のキャリアプランの立案
- 目指すべき業界/職種の選定
- 転職エージェントの選定
- 転職活動の実施
新卒時の就職活動に加えて、「家庭状況の整理」「転職エージェントの選定」等のステップが入るところが特徴です。
それでは、順に見ていきましょう。
1.自分のこれまでの経験・持っているスキルの分析
まずは自分がこれまで働いてきた企業で得た経験・スキルを洗い出してみましょう。頭の中で確認するだけでなく、紙などに目に見える形で書き出します。
経験は時系列で書き出すと、自分の中で整理がしやすく効果的です。書き出した経験を元に、自分が持っていると思えるスキルを挙げていきます。
経験やスキルに加えて、人脈も自分の持つ強みの1つとして数えられます。これまでの仕事・私生活で得た人脈も書き出しましょう。年収1200万円を達成できる業界はある程度絞られています。年収1200万円の達成を転職活動の第一目標に据えるならば、それらの業界で必要とされるスキルから逆算して自分の経験を見直してみるのも良いでしょう。
2.家庭状況の整理
妻、子ども、両親、親族等の中で、養うべき家族は何人いるのか、今後増える・減る予定はあるか、整理しましょう。また、子どもがいる方は、子どもの年齢・妻の就業状況を考慮に入れることも大切です。状況によっては待遇や就業環境を重視する必要があります。
また、転職活動には家族の理解と協力が必須です。転職活動の実施を決める前に、よく相談しておきましょう。
3.今後のキャリアプランの立案
65歳を定年とすると、40代にはまだこれから20年前後のキャリアがあります。なぜ転職をしたいのか、転職をきっかけにどうなりたいのか。年収1200万円を得たいのであれば、それはなぜなのか。具体的に考えてみましょう。
今後のキャリアプランを詳細・具体的に、かつ魅力的に立案することは転職の際の面接でも非常に重要だと言われています。
4.目指すべき業界/職種の選定
キャリアプランの立案と前後する場合もありますが、目指すべき業界と職種の選定を行いましょう。経験のある今までの業種だけが選択肢であるとは限りません。1.で分析した自分のスキルとマッチする業界・職種はないか、視野を広めて考えてみましょう。年収1200万円の達成にこだわるならば、前述の業界がメインの志望先になるでしょう。
また、「〇〇に憧れていたけれどなんとなく違う道へ進んでしまった」等やりたかったけれど挑戦できずにいた業種などがあれば、改めて考えてみましょう。
5.転職エージェントの選定
転職エージェントの選定は、転職活動を大きく左右すると言っても過言ではありません。慎重に選びましょう。
40代・中堅の男性が年収1200万円以上を目指す場合、「ヘッドハンティング型転職エージェント」に登録するのがオススメです。一般的な「総合転職エージェント」とは異なり、専任のコンサルタントはつかず、条件に合わせてヘッドハンターから連絡が来る形式のエージェントです。
今の会社で働きながら、効率的に転職活動を進めることが出来ます。
自分からもどんどんアクションを起こしてスピード感を持って進めたい、ということであれば、「総合転職エージェント」も並行して活用しましょう。
6.転職活動の実施
エージェントを通じて条件にマッチする求人情報を得たら、プレイヤーとしての募集なのか、それとも管理職としての募集なのかを見極めましょう。40代の求人にはプレーヤーとして・管理職としての募集が混在しています。
プレーヤーとして働くのか・管理職として働くのかは、転職後のキャリア・給与額にも大きく関わります。年収1200万円やそれ以上を目標にするのであれば、管理職として働く方が目標達成の可能性は圧倒的に高いと言えます。
まとめ
以上、「40代男性・中堅層が年収1200万円以上の仕事に転職するためにするべきこととは?」でした。ハイクラスの転職を考えている人の参考になれば幸いです。40代はまだまだキャリアの中盤です。後悔をしないよう、思い切ってチャレンジをしましょう!
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