転職戦線異常アリ

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某中小企業で管理職にある私は今、一兵卒として転職戦線の真っ只中にいる。なぜ要職にある私が転職活動をしているのか。その理由はこの文章の本題から逸れるのであえて語らない。この文章のテーマをひとことでいえば「転職活動における異常性」となるだろう。マイルドな言い方に改めるなら「転職活動のおかしなところ」。私は十数年前に一度だけ転職を経験している。その後ひとつの企業でそれなりの期間勤め、管理職になり、十数年ぶりに転職活動をしている。相応のブランクがあるため、頻繁に転職を繰り返している人とは異なる視点で転職を見つめられるのではないか。それがこの文章の本題であり、書く理由である。

私は四十代男性管理職である。その私が(失業からの就職活動ではなく)積極的な転職活動をするのだから、求める待遇や条件もそれなりのものになる。当然、求められるものも大きい。企業によって多少の差異はあるが、採用する側が私に期待する人物像を平均すると「経験と技術を持ちリーダーの素養のある者」となる。

実際に転職活動を進めると求人数は十数年前よりかなり多いことがわかる。当時は求人自体が少なく、書類選考で落とされ面接まで進むことすら出来なかった。言いかえれば面接の占める比重が大きくなった。面接の中身自体も少々変わった。大きな違いは「ツイッターやフェイスブックを利用しているか」「ブログを書いているか」と質問されることだ。この質問の意図するところがわからず、答えるまでに若干時間を要してしまったのは反省すべきである。

私に求められている人物像は、即戦力のリーダーであり、刺激を与える新戦力になりうる人材である。

私に求められている人物像は、即戦力のリーダーであり、刺激を与える新戦力になりうる人材である。転職活動をするなかで、これがなかなか難しいと感じている。私がいる、超一流の世界ではない平凡なビジネス世界では「仕事が出来る(ように見える)存在」はそれだけで疎んじられることが往々にしてよくある。嫉妬。妬み。平凡ビジネス界ではマイナスな感情による事件や人事が日常茶飯事に起こっている。それゆえ一流になれないともいえる。難しいのは面接において、過剰な仕事出来るアピールはマイナスになりうること、仕事が出来ないのは問題外ということである。

そこで私は「現職ではほぼ毎年社長賞をいただき、かつ、それに奢ることなく同僚と協力して仕事に当たってきた」とアピールする一方で「欠点は同僚にまで己に課しているのと同じレベルの厳しさを求めすぎてしまうことです。それで辞めてしまった同僚もいました」と己の足りない部分をさらけ出すようにしている。時々笑いを入れ、単調になりがちな面接に緩急のリズムを入れるのも忘れない。

以前に比べ、パーソナリティに関わる質問が増えたのも印象的である。先日、とある面接において以下のような質問された。「もしあなたの子供が夕食の時間にゲームをやめなかったらどうしますか?」子供がいない私にわかるわけがない。それとも子供がいない私がどのような反応を示すかを判定するメタ質問なのだろうか。

私は正確な解を導き出すためにその質問の前提条件を問い質した。「その子供が遊んでいるゲーム機は携帯機ですか。それとも据え置き機ですか」前提が携帯機と確認が取れたので「私ならゲーム機をバキバキに折って破壊してインターネット上に画像をアップします」と回答。我ながらトレンドに乗った、そして風刺の効いた答えだと今でも自画自賛している。勝利を確信した。

しかし、面接の結果は散々なものであった。

しかし、面接の結果は散々なものであった。「誠に残念ですが…」。面接官の言を信じるなら私の業務遂行能力は合格点であったが、パーソナリティが社風と合わないというのがその理由だが甚だ疑問である。私は金の問題だと考えている。なぜなら、面接の最後と面接後の電話において、二度、提示している条件より劣悪なものでどうかという打診を受けたからである。

超一流企業は好調らしいがそうでない企業の業績は芳しくない。経営状態を踏まえ、出来るかぎり労務費を抑えたい気持ちは管理職なので理解できなくはない。給与が下がるのであればそれ相応の責任と仕事になると答えた。人材不足だ、いい人材が欲しいと言いながら、条件を上げて人を確保しようという方向にはならないのだからおかしい。

また、某音楽家が子育てで炎上した件を質問に取り入れているようにインターネットやSNSの話題を積極的に面接に取り入れているのは十年前にはなかった傾向と言えるが、少し意識しすぎではないだろうか。ブログやSNSをやっていないかという質問に対して悩んだあと私はこう答えた。

「ツイッター、フェイスブック、グーグルプラス、Instagramのアカウントを持ち日々情報を発信しております。また個人的にブログを書いています。もちろんこの面接のことも細部に至るまで書かせていただくつもりです。さすがにmixiは止めましたけど」インターネットを活用出来る人材かどうかを判定する質問に対してインターネットを日常的に活用しているアピールをしたつもりだったがどうもそれがよくなかったと今は分析している。まさかmixiをやめたことがマイナスポイントになるのは想定外だった。

情報過多により、面接をする側も面接を受ける側も複雑怪奇になっているということ。その点について転職戦線で戦っている人、戦おうとしている人が注意していただければ甚だ幸いである。以上、現場よりフミコフミオがお伝えしました。

著者プロフィール

fumiko100

フミコフミオ

海辺の町でロックンロールを叫ぶ不惑の会社員です。ここ10年は食品業界の片隅で生息しております。90年代末からWeb日記で恥を綴り続けて15年、現在の主戦場ははてなブログ。内容はナッシング。けれどもなぜか上から目線。更新はおっさんの不整脈並みに不定期。でも、それがロックってもんだろう?ピース!

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