逃げるのは卑怯じゃない

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ライター/編集者の朽木誠一郎(@amanojerk)です。少し前に、狭い業界内で転職をしたことが、小さな話題になりました。

転職には苦労がつきものです。会社を離れることを、周囲や自分が「逃げ」だと受け止めるのが理由のひとつでしょう。転職へのネガティブな反応は「逃げるのは卑怯だ」という認識を前提にしています。しかし、そもそも逃げるのは卑怯なのでしょうか。僕は、逃げるのは卑怯じゃないと思います。

仕事に行き詰まったとき、条件を変えるか、自分を変えるかしか、それを解消する方法はありません。どちらも簡単ではないので、精神的、肉体的に消耗してしまう場合もあるでしょう。しかし「変える」のはあくまでひとつの選択です。自分の選択に責任を持てるのは自分だけですから、その仕事から「逃げる」という選択をしたとしても、周囲にそれを悪く言う権利はありません。自分もまた、それを悪く思う義務はないのです。とはいえ割り切るのもまた困難ですから、これからいくつか極端なことを言いたいと思います。

お世話になっていても、逃げなさい。

お世話になったかそうでないかは、あくまでもあなたの中での問題であり、相手には本来、関係ありません。相手があなたを真に大事に思うなら、あなたの意思を尊重してくれます。「恩を仇で返すのか」と見返りを求めてくるような相手は、それまでの人間だったというだけです。あなたを信じる相手は、あなたが別の場所で別の価値を生み出す姿を、好意的に見守ってくれるはずです。そんな相手であれば、やがてあなたが恩返しできる日が来るでしょう。

途中までやりかけていても、逃げなさい。

投資を回収するために先の見えない努力をし続けるのは、「次で取り返す」が口癖のギャンブラーと大差ありません。その努力を別の場所ですれば、あなたが一度疑問を持ってしまったプロジェクトよりも、胸を張れる成果が上がるでしょう。プロジェクトのその後を気にして、思い悩むことはしなくていいと思います。あなたなしに成立しないプロジェクトは、そもそも前提が間違っているし、あなたなしでも成立するなら、誰かに引き継げばいいのです。

怖くても、逃げなさい。

あなたが「逃げたい」と伝えた相手は、怒って声を荒げたり、机を叩いたりすることもあるでしょう。あるいは、手のひらを返したようにいい条件を提示したり、あなたの弱みを握っているような素振りをしたりするかもしれません。もし、それをされたら、喜びましょう。あなたはこれ以上、そんな相手と関わらずに済むのですから。卑怯なのは逃げることではなく、権力や暴力によって、あなたの意思をねじ伏せようとすることです。

愛していても、逃げなさい。

愛している相手と自分との境界は、次第に曖昧になります。だからこそ、人間は愛情が強いときほど、自分の能力の限界や、責任の範囲をよく見誤るのです。しかし、あなたを消耗させるような愛情は、そもそも歪んでいます。依存することも、依存されることもない、自立した関係が健全であり、そうでないと長くは続かないでしょう。自分がいなければ相手が駄目になる、なんてことはありません。恋愛と同じように、自分だけでもなんとかやっていけるものです。

逃げたいと思ったら、逃げなさい。

仕事はひとつだけではなく、そもそも人生のすべてでもないでしょう。行き詰まったときほど、人間の発想は制限されがちです。「逃げられない」と思い込んでしまうこともあるかと思います。でも、忘れないでください。あなたはどこへでも行けるし、どこまでも行けるのです。

だからこそ居続けたい場所が、みなさんにも見つかりますように。いつかまたどこかでお会いできれば幸いです。

著者プロフィール

kutuki100

朽木誠一郎

編集者、ライター、メディアコンサルタント。大学時代にフリーライターとしてキャリアをスタートし、卒業後はメディア事業をおこなう企業に新卒入社。オウンドメディアの編集長として企画・編集・執筆を担当したのち退社。現在はYahoo!ニュース個人などで執筆、PAKUTASOのフリー素材モデルとしても活動している。

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