働き方を変革せよ!

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こんにちは、らくからちゃです。
先日、出張でお伺いしていたお客様の事務所にて、入社式が行われているのを見ました。もうそんな季節だなあと感じるのと同時に、あの頃を思い出して、しっかりと精進せねばと思う日々でございます。

さて、新しく会社にやってくるのは、何も新入社員だけでは有りません。最近では、景気回復の効果も出ているのか、転職市場は非常に活発です。

とはいえ、まだまだ『転職』というと遠い世界のことに感じている人も多いかもしれません。わたし自身も、まだ今の会社で頑張って行きたいなあと思っていますので、直接いろいろと調べた訳では有りません。ただ、会社員として働く以上、『転職』について考えることは、働き方を見直す良い機会になるかな、そういう風に思った友人の会社のエピソードについてご紹介してみたいと思います。

働き方を変革せよ!

これは、わたしの友人が役員を務めている、ある中堅のシステム屋のお話。同社は、複数の会社と合併し、急速に規模を拡大してきました。その後、『家族揃って晩ごはんが食べられる会社にしようよ!』という社長の掛け声の元、ワークライフバランスを大幅に改善。『みんなで教え合うことの出来る組織にしよう!』をスローガンに掲げ、新規の採用についても商業・工業高校卒業の高卒新人を大事に育てていくことを中心に据えました。

働きやすさを最優先事項に掲げた結果、社員の定着率は非常に高く、社員を給料で引き止める必要性も薄くなり、採用に係るコストや社員に支払う賃金については、同業他社よりもかなり抑えることが出来ました。

安心して長く働ける職場。それは、会社にとっても社員にとっても大きなメリットではありましたが、段々と社内に現状を肯定することを是とする考え『大企業病』のような空気が出てきてしまったんですね。

そこで、この空気を変えるべく、ある男に白羽の矢が立ちました。彼は、大学を卒業後、多種多様な複数の会社を1年単位で渡り歩き、同社入社後も、自ら希望して様々な部署をぐるぐると回っていった、中々変わった経歴の持ち主でした。そして彼は同社の役員となります。

会社の方針として、従業員のより一層の生産性を改善するために、三カ年計画で『平均賃金100万円増加計画』が持ち上がっていました。そんな中、彼に与えられたミッションは『社員の働き方を変える』こと。同社が立ち向かった壁を超える重要な使命でした。

流水不腐,戸枢不蠹

同社では、今後の経営の方針や取り組んで行きたいテーマについて、就任式で全社員向けに伝えることになっています。彼がその時に語った内容は、社内に大きな波紋を生むことになります。それは『昨今の転職市場の状況と転職サイトの使い方について』でした。

『給与体系改善のために、不要な社員は切り捨てられるのか!?』といった声が上がる一方、『よそにはこんなにもらっている会社があるのは知らなかった』という声や『自分が今までやってきたやり方は他の会社でも通用していくのか不安になった』といった声も上がり始める結果となりました。

実際に『転職に挑戦したい』という社員も数名出てくるようになりましたが、彼らは決して、『不要な社員』ではなく、稼ぎ頭とも言えるメンバーでした。

志望したのは、名前を聞けば誰もが知っているような有名企業。現在の待遇や環境についての不満はなく、よりレベルの高い事業に取り組んでみたいということが動機でした。幾ばくもしないうちに、採用が決まり、彼らは古巣を巣立って行きました。

この件について、残された社員の受け止め方は様々でした。『うちからも、あんなすごい会社に行くことが出来るんだ』というものや『もっと自分の価値を高める働き方をしたい』というもの、『このままだと、優秀な人はどんどん出て行ってしまう。会社のレベルをあげて、それに見あう働き方をしなければ』といったもの。いずれも、今まで意識したことがなかった『外の世界』についての関心を広げる物でした。

当時を知るわたしの友人はこう言います。
『優秀なメンバーが抜けたのは短期的には痛手だったよ。でも、転職という選択肢を目にし、皆の中で自分自身の働き方への意識は大きく変わったなあ。言われたとおりのことをするのではなく、他社を超えるレベルの仕事をしようという機運は間違いなく高まった。』

その後、同社は順調に事業を拡大していきました。

わたしの友人が当時の役員に『どうしてそんなことをしようと思ったのか?』尋ねたところ、
『社員が転職することは、会社にとって損失とだけ考えるべきではない。転職を通じて相手先企業と新たな関係を築くチャンスと考えればいい。みんなが納得できる転職が出来る職場であれば、まわりまわって自社の利益にも繋がる。』
と返ってきたそうです。

この言葉の通り、転職していったメンバーの大半は、事あるごとに『古巣』と情報の交換を行い、中には共同事業を行う機会も何度かあったそうです。

最後に彼は、中国の故事からの言葉で話を締めくくりました。
『流水不腐,戸枢不蠹。(流れる水は腐らず、戸の軸には虫はつかない)』

転職は負けか?

かつて我が国では長期間の雇用を前提とした『年功序列』『終身雇用』といった考え方が主流となっており、その枠から離れる『転職』は非常にリスクのある行為でした。
しかし、近年雇用は流動化しており、一生ひとつの会社で働き続けることのほうが珍しいことになりつつあります。賃金の上でも、若い世代においては、前職からの賃金が1割以上増えることは珍しくありません。

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(平成 26 年雇用動向調査結果の概況を元に筆者作図)

企業側としても、労働人口が縮小していく中、より魅力のある職場づくりが求められます。その『魅力』の中には、次のステップに進むに当たってのチャンスが得られやすいかどうか?ということも大きな要素に含まれます。
社会が、転職をポジティブなものとして受け入れていくことは、日本経済の益々の発展にとって不可欠なものです。

勿論、今の職場が気に入っているのであれば、すぐに転職活動を始める必要はありません。でも、常日頃から自分の市場での価値を考えることは、働く人自身にとっても、彼らを抱える企業にとっても、良いことになるのではないでしょうか?そんなことを考える今日このごろでございます。

ではでは、今日はこの辺で。

著者プロフィール

raku100

らくからちゃ

三度の飯よりグラフが好き。87年生まれのゆとり系サラリーマン。
経済や会計をメインとした『ゆとりずむ』なるブログを書いおります。お手すきの際にでも是非!

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