「選ばれる側」から「選ぶ側」へ。未来の選択肢を増やすには

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こんにちは、はせ おやさいです。
新しい年の始まりに、「今年こそ転職を」と考える方もいらっしゃるかもしれません。今回は、わたしが転職した際に感じた失敗経験と、それを通じて感じたことを書いてみたいと思います。

自分の無知を思い知ったきっかけ

20代の頃は、真面目に仕事に取り組むこともせず、ふらふらしていました。
最初に入った会社が激務過ぎて、半年で同期がゼロになり、取引先が不渡りを出したり社長さんが自殺したり、一気に「働く」ということの出鼻をくじかれた、というのを言い訳に、退職したあとは、失業手当をもらいながらぼんやりしたり、楽そうな仕事を転々として、「まあ適当に働いたら結婚して、あとはパートかな」と考えていました。
転々と職を変えていたとき、ある会社に入り、「これは面白いかもしれない」と思える仕事を担当しました。小さな会社だったのですが、「会社のホームページを作りたいから、ちょっとやっといてよ」という気軽な依頼がきっかけです。

いわゆるWebディレクション的な仕事で、わたしはこういうのが好きなのだな、と気付きました。せっかくだから、こういう仕事をメインでやる会社に転職したい。そう考え、転職活動を始めてみて、愕然としました。案件はあるのに、自分が受けられるものが、ほぼないのです。

Web業界はほぼ未経験、技術的な教育を受けたわけでもなく、異業種からの転職です。しかも特定のキャリアがあるわけでもなく、本人にも、さほど情熱があるわけではない。今思うと「そりゃそうだろ」という感じなのですが、当時の自分は無知で、ショックでした。
やっと進みたい方向が見えたのに、「選べない」というのは、こんなに不自由なのか。そして「今の自分の延長線上にしか、未来の自分はないんだ」ということを痛感し、それまでの働きかたをとても後悔しました。

「選ぶ側」に回りたい

やりたいことが見つかったのに、年収や勤務地で選ぶどころか、受けたい会社を選ぶことすらできない。なぜ、そういう状態になってしまっていたのか。
ふり返ってみると、当時のわたしは「自分がやりたいこと」しか考えていなかったからでした。

「仕事の3つの輪」という考え方をご存知でしょうか。
「Must」「Can」「Will」の3つの輪が重なりあう部分に、自分の仕事のベストポジションが見つかる、というものです。

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この輪を当時の自分に置き換えてみると、「Will」=「やりたいこと」だけが大きく、「Can」=「できること」、つまり仕事のスキルはさほどない上、「Must」=「求められるもの」が分かっていなかった。
これでは採用されるはずがありません。

それならば、まずは「Can」を大きくすることから始めなければ。そう思って、様々な参考書を買い、HTMLやCGIを独学で覚えることから始めました。入門編の書籍を一通り実践したら、改めて転職活動を始めよう。そう決めるのと同時に、「今のわたしの『Can』はどこだろう?」というのを把握できていない自分にも気付きました。

まず全部を書きだした

とはいえ、ふらふらと適当に仕事をしていた自分にとって、「仕事のスキル」というのは遠い世界の話のように思えましたし、できることなんて何もない、と思っていました。それでも面接に臨むため、履歴書や自己PRを書かなければいけません。それまでは「選んでもらえるところならどこでもいいや」と思っていたけれど、今度は「自分がやりたいことがやれる会社に入りたい」のです。
評価されそうなことは全部盛り込もう、と思いました。

まずノートを買ってきて、そこに自分がそれまでやってきた仕事を、どんなに小さいことでも全部書き出すことにしました。仕事だけでなく、褒められたこと、喜ばれたこと、よく頼まれることも、思いつく限り箇条書きにしました。もうこれ以上思いつかない、というところまで書き出したあと、一晩置いて、他人のノートを見るような気持ちで読みなおしてみました。

細かい作業を苦にしない、電話や来客応対が丁寧、メールの返信が早い。それぞれ単独で見ると、本当にくだらないような、些細な項目の羅列でしたが、一晩置いて、かつ、俯瞰して見ることで「自分はこういうことが得意な人なのかな」というのがなんとなく見えてきました。
そのノートを読み終えて、もしわたしがこの人の友達だったら、この人の良さをこうやって紹介するだろうな、という紹介文を書き、それを元に自己PRを書いてみました。その作業を行うことで、自分の「Can」が明確になり、自信を持って説明できる手応えを感じて、よし、これなら……!と初めて思えました。

見つけてもらえ始めた

そうして出来上がった履歴書と職務経歴書を手に、募集している雇用形態を問わず、たくさんの人に見てもらいました。会社の採用ページから直接応募したものもあれば、求人サイトで探したもの、転職エージェントや派遣会社にもあちこち登録しました。

書類で落とされることもたくさんありましたが、転職エージェントや派遣会社の人に書類を見てもらい、何がダメか、どこで引っかかったのか、どこを直したらもっとよくなるか、何度も相談しました。
逆に、どんなところを企業は評価してくれそうかについても、たくさん質問しました。それまでは「選ばれる側」の視点でしか考えていなかったけれど、「会社がどんな視点で人を選ぶか」について知って対策を立てないと、自分が選んだ仕事ができる会社には入れない。だったら、詳しい人に聞くしかない。そう思ったからです。

何度も書類を直していく過程で、自分のどんな能力にニーズがありそうか、どんな性格をアピールすればいいのかが明確になっていきました。それに伴って、面接でどんな話をすればいいのか、どんな振る舞いをすればいいのか、も分かってきました。
スキルがないことを引け目に感じるよりは、それを補ってあまりある何かをアピールすればいい。わたしの場合、「経験は浅いけれど、一緒に働いたら楽しそうだな。頑張ってくれそうだな」と思ってもらうことをゴールに設定し、面接を繰り返しました。

その甲斐あってか、ある会社に派遣で就労が決まり、そのまま正社員に登用。まったくの異業種からの転職が、約1年弱の期間を経て、なんとか成功したのでした。

「備えよ常に」をキープする

正社員登用は努力の結果でしたが、努力が求められる場にすら入れなければ、どうしようもありません。また、案件に巡り会えるかどうかは、運やタイミングも大きい。当時のわたしに、「Can」がたくさんあったのであれば、より多くの案件から選ぶことができただろうと思います。
今でも「あの苦労を二度としたくない」という気持ちが強く残っていて、自分の「Can」を増やしつつ、今いる会社やチームがわたしに求める「Must」は何か、を常に考える癖がつきました。

「Can」がたくさんあって、「Must」を理解し、責任を果たせていれば、おのずと「Will」がやりやすくなります。やりやすくなる、というのは、「より理想に近い場所で仕事が得られる」ことであり、「より理想に近いやり方で働ける」ということ。
つまり、自分が「ここに行きたい」と思う会社を、選べるようになるのです。

「Can」を増やし、「Must」を意識する。
そうすることで「Wil」が実現できる。

それでもたまに、毎日の仕事が退屈で面白くないな、と感じるときがあります。そんなときほど、自分の「Can」は何か、「Must」は何かを意識してみること。「選ばれる側」から「選ぶ側」に回るための準備を常にし続けること。
その積み重ねが、未来の選択肢を広げてくれる。

そんな視点で仕事をしてみると、また違った景色が見えてくるのではないかなと思うのです。

今日はそんな感じです。
チャオ!

著者プロフィール

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はせ おやさい

会社員 兼 ブロガー。
はてなブログ(id:hase0831)を中心に活動。好きなものはお酒と読書とインターネット。本業ではWeb業界のベンチャーをうろうろしています。一般女性が仕事/家庭/個人のバランスを取るべく試行錯誤している生き様を、ブログ『インターネットの備忘録』で綴りつつ、「サイボウズ式」にてブロガーズコラム連載中。

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